
不正咬合の特徴とタイプ別治療法・症例集
口元が出ている(口ゴボ)
上下顎前突(口元の突出)にお悩みの方へ
横顔のバランスを整え、洗練された口元へ

上下の歯、あるいは上下の顎の骨がともに前方へ突き出している状態を、専門的には「上下顎前突」、英語では「バイ・マキシラリー・プロトリュージョン(Bi-maxillary protrusion)」と言います。
一見すると歯並び自体は整っていることも多いため、ご自身では「なぜ口元が出ているのか」が分かりにくいのもこの症例の特徴です。しかし、顔を横から見た際に「口元全体が過度に出っ張っている」ことで、以下のようなお悩みや健康リスクが生じやすくなります。
上下顎前突に伴うお悩みとリスク
口唇閉鎖不全(唇が閉じにくい)
無理に力を入れないと唇が閉じられないため、無意識に口が開いてしまいがちです。これにより「口呼吸」が習慣化しやすくなります。
乾燥性歯肉炎・虫歯のリスク
お口の中が常に乾燥することで、唾液による自浄作用が低下します。その結果、歯ぐきが炎症を起こしやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが増加します。
横顔のコンプレックス
鼻先と顎を結んだライン(Eライン)に対して口元が前方に突き出しているため、横顔のシルエットを気にされる方が非常に多くいらっしゃいます。
上下顎前突が生じる主な原因
大きく分けて、以下の2つのタイプ、あるいはその混合が考えられます。
歯性の要因(歯軸の傾斜)
顎のサイズに対して歯を並べるスペースが足りず、上下の前歯が外側(唇側)に傾斜して生えているタイプ。
骨格性の要因
上下の顎の骨そのものが、お顔のベースに対して前方に位置しているタイプ。
当院の治療法:科学的な分析に基づく口元の改善
当院では、日本歯科専門医機構が認めた「矯正歯科専門医」が、精密な診断に基づき、突出した口元をどの程度下げるのが理想的かを徹底的に分析します。
1. CDS分析による精密診断
当院では「CDS分析」を活用しています。これは日本人の標準的な横顔(標準図形)と患者様のレントゲン画像を比較し、客観的な数値に基づいて口元の突出度合いを診断するものです。この分析により、「なんとなく下げる」のではなく、ゴールを明確に設定した治療が可能になります。
2. 小臼歯を抜歯してスペースを作る方法
口元を劇的に後退させる必要がある場合、上下左右の小臼歯(計4本)を抜歯(便宜抜歯)し、その空いたスペースを利用して前歯を大きく後ろに下げます。これにより、横顔のシルエットを大きく改善することが見込めます。
3. 非抜歯での治療(歯科矯正用アンカースクリューの活用)
奥歯の後方に十分なスペースがある場合には、歯科矯正用アンカースクリュー等を用いることで、上下の歯列全体を後方へ移動させることが可能です。親知らずの抜歯は必要になりますが、大切な永久歯(小臼歯)を抜かずに、口元の突出感を軽減できる可能性が広がります。


